当店でお淹れするコーヒーは、つながりのある焙煎士さんの豆を使わせていただきます。ふたりめは豆春さんです。―写真は2019年7月撮影─
コーヒーの本来の味を僕に教えてくれたのは宮木春子さん。しっかりとした味に魅了されていくども通いました。
いつもお店のカウンターでは常連のお客さんと会話を弾ませながら、素早い動作で注文をこなしていきます。
春子さんは地元で小さな画廊を開く予定で手に職をつけるため、20代で飲食業界へ。
その後コーヒーに入り込み自家焙煎専門のお店で修業することになったそうです。
そのお店が畳むことになりつかっていた焙煎機を譲り受け豆春は再スタートすることに。
受け継いた味を守りながらおばあちゃんになっても続けていくと語ってくれました。
師匠のような存在に緊張しなかなかうまく伝えれなくてすれ違うこともありましたが、
地域のためにコーヒーを淹れ、人や地元をつなげるためならと珈琲豆を使わせていただくことを認めてもらいました。
豆春さんのブラジルは繊細で忠実、鋭く愛のある味はどことなく彼女の性格が現れています。
2022年9月19日
中川章博